
この記事の結論: 寝室の余計な光を減らすことは、眠る環境づくりの大切なポイントです。アイマスクを使って眠った翌日に、記憶課題や注意力が改善したという研究結果もあります。室内照明、遮光カーテン、アイマスクを上手に使い分けましょう。
アイマスクの効果は?2023年の睡眠研究を解説
英国の研究チームが『SLEEP』誌に発表したGrecoらの研究(2023年)は、夜間にアイマスクで光を遮ることと、翌日の記憶・注意力の関係を調べています。
- 実験1: 18〜35歳の94人が、アイマスクで眠る週と、光を遮らない対照条件の週を経験。アイマスク条件で、翌日の新しい情報の記憶課題と注意力が改善しました。
- 実験2: 18〜35歳の35人がウェアラブル機器で睡眠を記録。記憶課題の改善が再現され、深いノンレム睡眠の時間との関連も示されました。
2つの実験で一貫して認知課題の成績向上が見られたことは、夜間の遮光に実用的なメリットがある可能性を示しています。対象は若い成人で、研究が評価したのは主に翌日の記憶・注意力です。
夜間の光を減らすことにもメリットがある
Masonらの研究(2022年)では、健康な成人が睡眠中に約100ルクスの照明を浴びる条件と、3ルクス未満の暗い条件が比べられました。明るい条件で一晩眠った場合、夜間の心拍数の増加、心拍変動の低下、翌朝のインスリン抵抗性の増大が観察されています。
この研究は、睡眠中の光が体の生理反応に影響することを示す実験結果です。観察したのは一晩の変化であり、長期的な健康への影響を直接測定したものではありません。
厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」も、日中は光を浴び、夜間はできるだけ暗い睡眠環境を整えるよう案内しています。昼夜を問わず光を遮るのではなく、朝と夜で光の役割を分けることが重要です。
遮光カーテンとアイマスク、どちらが先?
| 対策 | 主な対象 | 選び方のポイント |
|---|---|---|
| 室内照明の減光・消灯 | 天井照明、表示灯、廊下の光 | 調光機能、光の向き、色温度 |
| 遮光カーテン | 街灯、早朝の日差しなど窓からの光 | 遮光等級、丈・幅、光が入るすき間 |
| アイマスク | 外泊、部屋自体を暗くできない環境 | 顔へのフィット、遮光性、素材 |
遮光カーテンは窓からの光を抑えたいときに役立ちます。生地の等級だけでなく、窓の上部や左右のすき間もチェックしましょう。部屋全体を暗くしにくい場合は、アイマスクが手軽な選択肢です。
アイマスクを選ぶ3つのポイント
- 遮光性: 鼻の周囲のすき間や、光の通りにくい形を比較する。
- フィット感: ベルトの調整幅や、横向きで寝るときの着け心地を比べる。
- 素材: 肌ざわり、通気性、手入れのしやすさから選ぶ。
アイマスクの効果を生活で活かすには、遮光性能に加えてフィット感が重要です。「遮光率99%」などの表示を見るときは、測定条件と装着時のすき間も確認しましょう。
まずは1週間、無料の工夫から試してみる
最初の1〜2日は、寝室で目に入る光を記録します。天井照明、家電の表示灯、窓からの街灯、早朝の日差しなどを分けると原因が分かりやすくなります。
次の数日は照明を落とす、不要な表示灯の向きを変える、カーテンの隙間を減らすなど、買わずにできる工夫から試します。それでも気になる場合にアイマスクを検討してください。朝の眠気・まぶしさ・装着感をそれぞれ短く記録すると判断に役立ちます。
睡眠環境を整える工夫と、必要な睡眠時間の確保を組み合わせることが大切です。
よくある質問
Q. アイマスクにはどんなメリットが期待できますか?
光を遮りやすくするほか、若い成人を対象とした実験では、翌日の記憶課題と注意力が改善しました。普段の寝室や旅行先など、光が気になる場面で試しやすいアイテムです。
Q. 遮光カーテンとアイマスクはどう使い分けますか?
窓からの外光にはカーテン、旅行先や同室者がいる環境にはアイマスクが便利です。どちらか一つで快適なら、それを基本にするとよいでしょう。
Q. 部屋を暗くする方法には何がありますか?
照明を落とす、カーテンで外光を遮る、アイマスクを使うなどの方法があります。普段の寝室だけでなく、旅行先でも使いやすい方法を選べます。
ほかの睡眠環境の工夫は、耳栓と音の対策や枕の選び方でも紹介しています。
参考文献
- Grecoら(2023)Sleep — アイマスクと翌日の記憶・注意力
- Masonら(2022)PNAS — 睡眠中の光と生理指標
- 厚生労働省「睡眠ガイド2023」 — 睡眠環境の基本