
この記事の結論: 夜間の騒音を減らすことは、快適な睡眠環境づくりに役立ちます。耳栓は外の音や生活音が気になるときに試しやすい選択肢。耳栓とアイマスクの併用で睡眠の質が改善した研究もあります。音の発生源と耳栓の装着感の両方を見直しましょう。
耳栓に睡眠改善の根拠はある?13研究・797人のメタ分析
Fangらの系統的レビュー・メタ分析(2021年)では、ICUに入院した成人を対象にしたランダム化比較試験13件・797人のデータを統合しました。
- 耳栓・アイマスクを使った介入全体で、本人が評価する睡眠の質に改善が認められました。
- 耳栓とアイマスクの併用では、睡眠の質の改善が特に大きく報告されました。
- 耳栓単独の解析では統計的に明確な差は確認されず、研究数や条件によって効果の見え方に違いがありました。
この分析の対象は**病院の集中治療室(ICU)**です。光と音の両方が睡眠を妨げやすい環境で、併用のメリットが示された点に価値があります。自宅では騒音の種類が異なるため、まず何の音が気になるかを確かめると対策を選びやすくなります。
眠りの途中で目が覚める回数への効果は?
Demouleらの2017年のランダム化試験では、ICU患者64人を対象に、耳栓とアイマスクを使う群と使わない群を比較しています。
併用群では、長い覚醒の回数が少なくなるという結果が見られました。深い睡眠(N3)の割合は主要評価項目でしたが、統計的な有意差には達していません(p=0.09)。
この結果は、睡眠中の光と音を一緒に見直す意味を示しています。実際に取り入れる際は、耳が痛くならずに使い続けられる装着感も大切です。
音を3種類に分けて対策を選ぶ
| 気になる音 | まず確認すること | 考えられる対策 |
|---|---|---|
| 車、電車、工事など外の音 | 窓の隙間、道路側との距離、時間帯 | 窓の気密性、ベッド配置、耳栓 |
| エアコン、換気扇、家電 | 設置位置、振動、故障の有無 | 設定変更、点検、寝床の位置 |
| 話し声、いびき、生活音 | 発生時間、距離、寝室環境 | 生活動線の調整、必要なら耳栓 |
外からの音には窓まわりの工夫、室内の音には設備の設定や配置の見直しが考えられます。音の発生源に合わせると対策を選びやすくなります。
睡眠用耳栓はここを比較する
- フィット感: 耳のサイズに合う形と、横向き寝での着け心地を比べる。
- 素材: フォーム・シリコンなど、柔らかさや使い心地の違いで選ぶ。
- 遮音性能: NRRやSNRは遮音性能の参考となる指標。実際の聞こえ方は音の種類や装着状態でも変わる。
- 使い方: 使い捨て型・再利用型など、普段の生活に合うタイプを選ぶ。
お金をかけずに1週間で試す手順
最初の数日、気になる音を「何が・どの時間に・どこから」聞こえるか記録します。ベッドの位置や家電の設定を無理のない範囲で変更し、音の影響が変わるかを確認してみてください。
それでも困る場合に、サイズが合う耳栓を試します。記録するのは寝つきの感じ方、夜中に音で目覚めた回数、装着時の痛みの3項目程度で十分です。複数の対策を同時に変えると、何が役立ったか分かりにくくなります。
厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」も、静かな睡眠環境づくりを勧めています。騒音の種類に合った対策を重ねるのがコツです。
よくある質問
Q. 耳栓は何dBの商品がよいですか?
NRRやSNRの値は、所定の条件で測定された遮音性能の指標です。遮りたい音の種類や、耳へのフィット感とあわせて比較すると選びやすくなります。
Q. アイマスクと耳栓を併用するとよいですか?
光と音の両方が気になるなら、併用は検討する価値があります。ICUで行われた研究では、併用による睡眠の質の改善が報告されています。アイマスクと遮光の研究も参考にしてください。
Q. ホワイトノイズで解決しますか?
ホワイトノイズは一定の音を流すことで、周囲の変動する音を相対的に目立ちにくくする方法です。耳栓や寝室の配置調整とは異なる対策として比較できます。
睡眠環境の工夫を広げたい人は、枕の選び方も参考にしてください。
参考文献
- Fangら(2021)Journal of Advanced Nursing — ICUの13研究・797人のメタ分析
- Demouleら(2017)Critical Care — ICU患者64人のランダム化試験
- 厚生労働省「睡眠ガイド2023」 — 静かな睡眠環境の基本